症年症女1巻表紙
『めだかボックス』の西尾維新×暁月あきらコンビの漫画を再び読めるとはッ!
単行本を待ちに待っていたでござるッ!
メッセージシートも封入されており嬉しいぞい

第1症
第1症も第2症もタイトルは一応あるのでござるが、塗りつぶされており読めないでござるwwww
初っ端から個性全開でたまらんぞい
この物語は少年が少女の心臓をハサミで抉るシーンから始まるでござる
否、それがラストシーンらしいでござる
なぜこんなことになってしまったのかッ!
気になるぞい
組体操を奴隷だのヒエラレルキーだのと呼び、わざとピラミッドを崩し、一石を投じてやったぞなどと喜ぶ小学生がいようとはwww
マイナス十三組入り間違いなしでござる
そして少年には、顔や店名といった個性的なものは全てインクで塗りつぶされているように見えているでござる
文字通り無個性で塗りつぶされた世界でござる
さらに少年の吐瀉物も真っ黒でござるッ!
個性を求めているわりには、自ら率先して世界を無個性で塗りつぶしていくのでござるな
周りの個性を無くすことで自身の個性を引き立てようとしているともいえる
そして少年の症状は、個性的なものが無個性に見えるだけでなく、治療方法がなく、十二歳で死ぬと発覚
しかしそこで大喜びしてしまうのが本作の主人公でござるwww
未知の奇病にかかった悲劇の主人公ッ!
個性を求めていた少年にはまたとない好機でござるなwww
しかも何年も前から死にたがっていたのでござるから、本望でござろう
だがそんな少年の前に、類例の少女が現れてしまう
少女は少年の症状とは若干異なり、個性的なものが布きれの貼り絵のように見える症状でござる
しかも、少女は少年よりも一年死が近い小学六年生で、格好良くて、魅力的で、いい奴で、痛快
少女が先に病気で死んでしまえば、少年は無個性なただの人として死んでしまうでござる
序盤の「高いところから落ちた方が痛いだろ」というセリフがピタリと当てはまりますな
少年の異常さを見せつけるだけでなく、類例の少女と自身の現状も表すとは上手いでござる
そこで彼女が病気で死ぬ前に、殺してしまおうと決意する少年
凄まじい歪みっぷりでござるwww
表に出ていないだけで、十分すぎるほど個性的でござるよwww

第2症
少年は個性的で魅力的な少女を殺すため、少女が入院している研究所へ
少年はうっかり、服を脱いで診察を受けている少女を目撃してしまうのであった
裸を一切恥ずかしがらない少女ッ!
めだかボックスでもあったような
素直クールめいていてたまらんぞい
それもまたひとつの個性でござるな
少女の部屋はボタンと布きれを始め、個性的なもので溢れかえっていたッ!
見れば見るほどアブノーマルなので、ぜひ単行本を買って確認してほしいでござる
個性どころか狂気を感じますぞ
そして少女の父が殺人鬼で、母が放火魔なので、少女がメディアに取り上げられないということが明らかになる
しかしそこで呪われた運命を羨ましがってしまうのが本作の主人公でござるwww
どうしようもない個性キチですわ
そして第2症では実際に発言したセリフとセットで、心の中のセリフも出すという面白い手法を用いているでござる
悪平等の財部依真ちゃんめいているでござる
ベッドの半分を開け、添い寝を促す少女ッ!
大胆なおにゃのこいいよね…
少年は早速他殺しようとするのでござるが、「ぱぱ…まま…もう…やめて…」という寝言を聞き、踏みとどまってしまう
犯人が自分だとバレてしまうからと言い聞かせる少年
小学生に殺人なんて容易にできるはずがないでござるな
部屋の隅で眠る少年を見て微笑み、「僕がこのキュートな少年を殺してしまわないようにだよ」とナースによく見張るよう頼む少女
その真意とはッ!
少女も少年と同じように、病気で死ぬ前に殺そうと考えているのでござろうか
否、順当に行けば年上の少女が先に死ぬのだから、わざわざ殺す必要はないはず
突然覚醒でもするのでござろうか
あるいは少年が自分を殺そうとしていることに気づいており、少年を殺人者にしないためとか
もしくはもう壊れているようなもんでござるが、少年の心を殺してしまわないようにとか
だとしたら少女は非の打ちどころがない完璧めいた人物でござる

第3症 どの表情(つら)下げて
冒頭の表情集がたまらんぞい
少女は少年を娯楽まみれの遊戯室へ招待したのであった
そこで少年と少女は将棋で勝負することに
当然将棋は無個性で塗りつぶされているでござるッ!
駒が分からない状態でのプレイは大変でござろうなぁ
そして少年は少女の天才的頭脳の持ち主であること、将棋の名人にわざと負けたこと、少年が普通で平凡で常識の範囲内で実に一般的な男子だと言われていることを耳にしてしまう
無個性な者に見下されることは嬉しくても、個性ある者に見下されることは嫌らしいん
本当に面倒な性格でwww
しかし本気を出した少女は王将以外全ての駒を奪ってしまったのであった
十三組入り間違いなしですわ
もちろん少年は負け、罰ゲームとして肩揉みをすることに
直接ですかいwww
肩甲骨たまらんぞい
少女の身体はゴムのような感触であったッ!
筋線維がもつれるってどういうことだおい!
肩を揉む少年の顔は感情の文字で埋め尽くされていた
優越感と劣等感を同時に感じるというのはこういうことでござろうか
もっとも、この場合はそんな単純ではなく、あらゆる感情を同時に感じているようでござるが

第4症 好きになる前に
少年は少女を殺そうとするもまた失敗
そして図書室で殺人の指南書を読みふける少年の前に現れた謎の人物ッ!
ドクとなるその人物は少年に「楽に死ねるお薬」を渡す
そして少年は薬を飲み物に混ぜ、少女に手渡し――
それにしても病室に壁画を掘るとは元気な病人でwww

第5症 どうして人を殺しちゃいけないの?
口に含んだブラックコーヒーを少年に吐き出す少女ッ!
我にも吐いてほしいでござるッ!
ブラックコーヒーが飲めないだなんて気が合いますなぁ
少年は少女が苦い物を飲めないと分かっていながらブラックを出したのであった
伏線の回収が上手いでござるッ!
こうして少年はまた他殺に失敗したのであった
歪んで狂っていても、そこそこ倫理観があるのでござるな
「おねーさんに身を任せたまえ」というセリフで萌え死にそうでござるッ!
姉属性の波動を感じるッ!!!
ここまで年上ということをすっかり忘れていたでござる
若ければ若いほど一歳の差は大きいでござるからなッ!
そして気分を悪くした少女は大量のボタンと布きれを吐き出したのであった
第1症で少年が見せた症状と似ているでござる
しかし液体とはわけが違うでござるwww
あきらかな人工物を吐き出すって
『どうして人を殺しちゃいけないの?』
一つの決まった答えはないけれど、いくらでも深められる興味深い議題でござるな
果たして少年は少女を殺せるのか…?
そして十二歳で死ぬということは、正確には誕生日ジャストということであると明らかに
身体にチューブやら機械やらが纏わりついているというのは興奮しますぞ
『ドク』改め『毒』の目的は少年に少女を殺させることだったッ!
そして毒に指令を下す『先生』の正体とはッ!?
面白くなってきたでござるッ!

巻末の書き下ろしも必見でござる
第2巻は2016年初冬発売ッ!
期待以上の面白さでござった